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イベントレポート:岩手県遠恋複業課・北上フィールドワーク

2025年11月、岩手県が推進する「遠恋複業課」の新たな取り組みとして、岩手県北上市の秘湯「夏油(げとう)温泉」を舞台にした1泊2日のフィールドワークを開催しました。今回のイベントレポートでは、この2日間の様子をお伝えします。



遠恋複業課は、「遠く離れていても、恋するように地域を想い、スキルで関わる」というコンセプトのもと、都市部の専門人材と岩手県内企業・地域をつなぐプロジェクトです。



今回は、個人のスキルを単発で提供する「複業」の枠を超え、多様な専門性を持つメンバーがチームとして地域に深く入り込み、共に未来を描いていく実証実験として実施しました。舞台となったのは、一度は閉業の危機に瀕しながらも、若きオーナー・村岡葉子さんの情熱で再生へと向かう「夏油温泉観光ホテル」です。



金融、IT、広報、コミュニティ運営など、異なるバックグラウンドを持つ7名のプロフェッショナルが参加し、地域共創の新しいモデルを模索しました。





東京から夏油へ ― デジタルから解放される贅沢な不便さ

東京駅から新幹線で北上へ向かい、そこからタクシーで約1時間の山深くへと向かいました。



夏油温泉は、今どき珍しい「携帯の電波が入らない」場所です。通知に邪魔されない、目の前の相手とだけ向き合う時間が始まります。



地域の魂に触れる ― 鬼剣舞



北上市が世界に誇るユネスコ無形文化遺産「鬼剣舞」。疫病や災害から地域を守るために始まったとされる伝統芸能を観賞しました。






村岡葉子さんが掲げる「社交湯」



オーナーの木村さん・村岡さんが掲げるビジョンは、「温泉を通じて人生を前進させる場所(社交湯)」。単なる観光施設ではなく、人と人が本気で対話し、新しい何かが生まれる場を目指しています。



昨年参加していた、中村さんの現状の取り組みも発表していただきました。




午後は、プレオープン中のホテル内を隅々まで案内していただきました。




かつて湯治客で賑わった炊事場、全ての客室、まだ一般公開されていない露天風呂。







「個」から「チーム」へ ― 地域共創の新しいモデル


従来の地域複業は、個人のスキルを単発で提供する形が中心でしたが、今回は異なる専門性が交差し、新たなアイデアが生まれました。



今回のプロジェクトは、提案で終わりません。提案した本人たちが5月に現地に入り、9月にプランを動かします。



遠く離れていても、恋するように地域を想う。遠恋複業課が掲げるコンセプトが、ここで具現化されました。




夜のワークショップ ― 2つのラブレター

現場視察の後、昨年もプロジェクトに関わってくれた「夏油古民家カフェkobiru」さんの特製お弁当を囲みながら、チームに分かれてのワークショップが始まります。




「この場所を、どうすればもう一度『沸かせる』ことができるか」


4時間にわたる濃密なグループワークの末、単なるコンサルティング報告書ではなく、村岡さんへ贈る2つの「ラブレター」が生まれました。



チームA:WORK CAMP 〜夏油、沸く湧く!〜

チームAが提案したのは、豪雪による冬期閉鎖が明ける5月の営業再開に向けた「WORK CAMP」です。社会人と学生が混ざり合い、館内清掃や準備を共に行う合宿型プログラム。深刻な人手不足という課題を「共に汗を流す熱狂的な共通体験」に変え、参加者自身が夏油の未来を一緒に創る「当事者」になる場を目指します。


チームB:日本一湧く「枠」プラン

チームBは、特設LPの制作と、宿泊プランを自分たちでプロデュースできる「枠」の販売を提案しました。オーガニックコスメブランドが「美肌温泉プラン」を、料理家が「発酵×温泉プラン」を、ヨガインストラクターが「朝ヨガ×露天風呂プラン」を企画するように、夏油を誰もが自分を表現できるプラットフォームへと変えていく挑戦です。



クラウドファンディングで応援の輪を広げる


6月のグランドオープンに向けて、現在クラウドファンディングの準備も進めています。



目的は資金調達だけではなく、関係人口を増やして伴走者を増やすことです。リターンは単なる商品ではなく、夏油の未来を一緒に創る「当事者になる権利」として設計されています。





5月はボランティア、夏以降にワークキャンプ本番へ


2026年5月のGW前には、メンバーが現地に入り、営業再開に向けたボランティアを実施します。プロジェクトメンバーが共に汗を流しながら、夏油の再始動を支えます。



そして夏のシーズンに向けて、ワークキャンプを進めていく予定です。



参加者の声


フィールドワーク後、参加者から多くの声が寄せられました。



「内容が濃く、あっという間の2日間でした」


「岩手、夏油の方々がとてもあたたかく迎え入れてくださり、嬉しかったです。観光で訪れる時とはまた違った地域のリアルな表情を見ることができました」


「他の参加者との議論が刺激になりました」


「個々が持ち合わせている内在的センスが発揮できる機会が多くあり、とても有意義な時間でした」


「グループワークとアクティビティ(温泉や交流時間含む)のバランスがちょうど良かったです」

「自分に何ができるかわからないままとりあえず参加しましたが、他の皆さんと協力しながら何かできることがあるかもと感じることができました」


また、岩手県在住の参加者からはこのような声もありました。


「遠恋複業のことは以前から知っていましたが、岩手県在住の自分は対象外だと思っていたので、今回参加できてとてもありがたかったです」



地域内の人にとっても、外部の人と一緒に地域の未来を考える機会は、新しい視点をもたらすものとなりました。



東京決起会、そして実行フェーズへ



フィールドワーク終了後、東京にて「決起会」を開催しました。メンバーそれぞれの仕事や趣味を活かしたアイデアが飛び交い、「ラブレター」は実行計画へ。



最後に



2026年5月、夏油温泉観光ホテルにメンバーが再び集まります。今度は参加者として、清掃という名の関係性づくりのために。そして9月、自分たちが企画した宿泊プランが動き出します。



その再会の瞬間を、私たちは本気で楽しみにしています。

改めて、ご参加・ご協力いただいた皆さまありがとうございました。



 
 

【事業主体】

​岩手県 ふるさと振興部地域推進室

岩手県盛岡市内丸10-1

【運営会社】

​株式会社ATOMica

​宮崎県宮崎市橘通西3丁目10番32号 宮崎ナナイロ東館 8階

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